脂溶性A発見
マッカラムは、はじめ牛の飼料の差によってもたらされる健康度のちがいについての研究をしていたが、牛の寿命が長すぎることから「急速に成熟し、早く子を生み、寿命の短い小動物」を実験に使うべきだと考え、ネズミの実験をはじめた。
彼はネズミに純粋タンパク質の混合物、炭水化物、無機質の混合飼料に脂肪性物質を加えて与えていたが、その脂肪源がバターあるいは卵黄油のばあいは、成長をつづけて健康に育つ。
しかるに、脂肪源としてラードやオリーブ油を与えると、その他の飼料の組合せは全く同じなのに、健康が衰え、やがて死んでしまうことを見いだした。
当時の定説では、脂肪はすべて同じ栄養価をもっているといわれていたにもかかわらず、バターの脂肪や卵黄油には、オリーブ油にない何か生死にかかわる要素が含まれていることを示すものであった。
このようなことからモリンガなどの研究をすすめ、この未知の栄養素は、アルファルファの葉、動物の肝臓、腎臓などにも含まれていることをたしかめた。
さらにバターから抽出した物質をオリーブ油に混入し、できあがった黄色のオリーブ油でネズミを飼育すると、予想通り元気に生きつづけることを証明したのであった。
彼はこの未知物質に「脂溶性A」と命名した。
1913年であった。