そうなんだ その1
梅の花のたよりを耳にし、餅菓子屋の店先にさくら餅うぐいす餅の春らしい顔がのぞくと、もう三月節句は近いです。
そちこちに人形の催しや展覧会がひらかれて、人々の心に雛まつりの灯がともされてゆきます。
くる年もくる年も長い年月、日本中の人々に愛されて雛の節句は続いてきました。
人形を作る人もみる人も、人形に対して深い愛情と祈りをこめ、また無心の人形に心を慰め、その美に対して眼はこやされてきました。
世界のどこにもみられぬような、すばらしい人形の発展をみたこと、そして美術的に優れていることは、雛の節句の永い歴史の影響をはなれては考えられないです。
節句とは、もともと季節の代わり目のことをいい、正月七日、三月三日、五月五日、七月七日の七夕、九月九日、お彼岸、八十八夜とその節々に祝ってきました。
昔の人は季節の代わり目には、人を犯す悪気があって、それにふれると病気になったりその他の災いにかかると信じられてきました。
その災を避けるためには神を迎え神の力に頼ろうとしたのだそうです。