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2010年06月 アーカイブ

神奈川の種子植物

神奈川県は、東に東京湾、西に相模湾をひかえ、東部は丘稜地帯、西部は丹沢、箱根を中心とする山岳地帯に大別されます。

これらの山地や丘稜を刻んで、多摩川、境川、相模川、酒匂川などの河川が海に注ぎ、その両岸や河口に小規模な低地を発達させています。

これらの平地や丘稜は、古くから農耕地として利用されていましたが、近年、宅地や工業用地としての開発が進み、野生植物の生息地が狭められました。

そのため、個体数や種類数の減少が憂慮されています。

県の面積は小さいですが、気候は温暖、地形は変化に富み、それぞれの環境に適応して多くの植物が生息しており、シダ植物以上の高等植物に限っても、2000種を超えます。

丹沢山や箱根山は高山と言い難いですが、首都圏に近く、植物愛好家や学者の来訪も多いため、比較的よく調査されています。

サガミジョウロウホトトギスなどの固有種も知られ、この地域をタイプロカリティ(命名の基準となった標本の産地)とする植物も多いのです。

丹沢ではタンザワヒゴダイ、イワシャジン、箱根ではハコネソウ、ハコネトリカブト、キントキヒゴダイなどが、これらの例です。

神奈川の種子植物 その2

箱根、丹沢の山地は、日本の植物区系からはフォッサマグナ地域に属しています。

フジアザミ、マメザクラ、カナウツギ、ハコネコメツツジ、サンショウバラなど、多くの特徴ある種類を育みました。

また、両山地の中腹(標高約800m)以上はブナ帯として知られ、ミヤマハンノキや、ダケカンバをはじめ、フタバラン、クルマユリ、マイズルソウなど、高山植物図鑑に登場しそうな種類も生息していて楽しいです。

さらに両山地には共通点が多いですが、その分布に多少の相違が見られることも調べられています。

たとえばヒメシャラは箱根に多く丹沢には少ない、などです。

多くの谷が樹枝状に延びている相模台地や多摩丘稜の地は、昔から農耕地として利用され、薪炭材として需要の多いクヌギ、コナラを主とする雑木林もあります。

またスジダイ、タブ、シラカン、ウラジドガシなどを主とする照葉樹林も点在して、住時を偲ばせています。

沿岸部に多いシイ、タブ林には、カクレミノ、シロダモ、アラカシなどが混在し、内陸部に多いシラカシ林には、ミズキ、ケヤキ、ムクノキ、ハリギリなどが混在しています。

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