神奈川の種子植物
神奈川県は、東に東京湾、西に相模湾をひかえ、東部は丘稜地帯、西部は丹沢、箱根を中心とする山岳地帯に大別されます。
これらの山地や丘稜を刻んで、多摩川、境川、相模川、酒匂川などの河川が海に注ぎ、その両岸や河口に小規模な低地を発達させています。
これらの平地や丘稜は、古くから農耕地として利用されていましたが、近年、宅地や工業用地としての開発が進み、野生植物の生息地が狭められました。
そのため、個体数や種類数の減少が憂慮されています。
県の面積は小さいですが、気候は温暖、地形は変化に富み、それぞれの環境に適応して多くの植物が生息しており、シダ植物以上の高等植物に限っても、2000種を超えます。
丹沢山や箱根山は高山と言い難いですが、首都圏に近く、植物愛好家や学者の来訪も多いため、比較的よく調査されています。
サガミジョウロウホトトギスなどの固有種も知られ、この地域をタイプロカリティ(命名の基準となった標本の産地)とする植物も多いのです。
丹沢ではタンザワヒゴダイ、イワシャジン、箱根ではハコネソウ、ハコネトリカブト、キントキヒゴダイなどが、これらの例です。